2018年4月27日金曜日

第1段階は「気持ち悪い」

本日も当ブログにお越しいただきありがとうございます!

さて、当実践会のセミナーではもうおなじみの「病気のプロセス」ですが、
歪み→感覚異常→機能障害→器質障害
と説明されているかと思います。

これを操体法の創始者の橋本敬三先生は、
第1段階:気持ち悪い
第2段階:働きが悪い
第3段階:中のものが変質する
という言い方もされています。

専門職だと、逆によくわからないかと思いますが、
患者さんとかに説明するときは、これはわかりやすいかな、なんて思っています。

そして操体法の良いところは、
この第1段階の時点で対応可能だというところです。
病院などの西洋医学の観点だと、
画像診断やその他検査で判明するような症状でないと対応できません。
「どこも異常ないですね。様子見ましょう。」
などと言われてしまうと思います。
リハビリ室でも、「ちょっとここが気持ち悪いんですけど」
とか 「ここに違和感を感じるんですけど」
と言われても、決定的な症状でなければ対応が難しかったのではないでしょうか。

一方、操体法では、患者さんの感覚を大事にするので、
この第1段階の感覚の異常とか違和感にも、対応することが可能です。
というか、その患者さんの感覚が大事な手がかりになります。
その患者さんの感覚を手がかりにして、操体法を施術して、
そして歪みを整えていく。

四肢・体幹の働きが悪くなったり、中のものが変質していく前に、
対応することができるようになります。

実際はここで、感覚レベルの問題もからんでくるようになります。
なぜなら、感覚レベルが悪いと、
感覚を飛び越えて、第2段階や第3段階まで飛び越えてしまうこともあり得るからです。
痛みとか違和感などの感覚は、身体からのサインなので、
この身体からのサインを受け取る感性が鈍ってしまうと、
いきなり、機能障害、器質障害へと行ってしまうこともあるのです。

さて、当実践会の短時間テクニックセミナーでお話ししている、
この病気のプロセスと、感覚レベルのお話しは、とても大事な部分です。
(その他の部分も、全部大事なんですけどね)
何度も聞いて、本も読んで、実践もしていくと、よく理解できるかと思います。
なので、手前味噌にはなりますが、1回だけではなく、
複数回セミナーに参加されると、実技部分と同様に、
こういった話しもより深く理解できるようになると思います。

今日はそんなお話しでした。

今日もブログを読んでいただきありがとうございました!

2018年4月25日水曜日

身体運動の法則 その2

本日も当ブログにお越しいただきありがとうございます!



今日は、身体運動の6つの法則、

残りの3つをお話ししたいと思います。


最初の3つは、

1.連動の法則

2.重心安定の法則

3.重心移動の法則


そして4つめは、


4.呼吸との関連


力強い運動、あるいは急激な運動は、

息を吐くときか、息を止めているときにするものです。

武道でもスポーツでも、気合を入れて攻める時とか、動くときは、

息を吐きながら行うと思います。

息を吸うときは運動神経が働かないようです。


また、

ギックリ腰も吸気の時になる、と橋本先生はおっしゃっています。


くしゃみしたとき時とかは、呼気だとは思いますが、

その場合は、腹圧によって腰の関節や椎間板に衝撃が加わるのと、

急激な前屈みの姿勢などが関係するようです。


重い物を持ち上げるときは、息を止めたりすると思いますが、

軽い物の場合は、身体が緩んでいる状態の時もあるので、

そういう時にもギックリ腰になりやすいようです。


もちろん、そこに至るまでに身体の状態も悪くなっているということもあります。


呼吸は、スポーツ、お産、日常生活、精神状態、などいたるところで重要になってきますね。



さて、5番目。


5.動作と姿勢と感情


橋本敬三先生の言葉を借りれば、

「怒る時は腹を立て、季肋に力を入れると肝にさわり、

 悲しみ憂いは、前屈して、呼吸器、消化器を圧迫し、驚くと腎に衝撃を与え、

 腰が抜けることがある。」


動作と感情は連動していることを述べています。


また、姿勢についても、

自信があるときは胸を張るし、

不安な時は眼球がちょろちょろと動きますし、

優しい顔で激怒することはできません。

姿勢と感情も連動しています。



6.飲食との相関


橋本敬三先生は、食べ物は生命のもと、であり、

物の食べ方にもちゃんと法則があるのだと言います。

それを無視すればやはり身体の調子がおかしくなる、と。



添加物や防腐剤のような毒をとることはせず、


その季節の物を食べなさい、

うまい物を食べ過ぎるな、

肉を食べたら、その7倍の野菜やご飯を食べなさい、


などと説いています。


昔から、しっかりと食の重要性も説いておられました。



以上、6つの身体運動に関わる法則や関連性があります。


そのどれかの法則を無視するならば、


身体運動に問題が起こるということです。



操体法って、単なる治療手技とかではなくて、


生きるための様々な法則をも考慮にいれた、

人間全体をみていく体系なんです。


まだまだ奥は深いです…。



今日はそんなお話しでした。


今日もブログを読んでいただきありがとうございました!

2018年4月20日金曜日

身体運動の法則 その1

本日も当ブログにお越しいただきありがとうございます!



操体法の創始者である橋本敬三先生は、

身体運動の法則として、以下の6つを挙げています。


1.連動の法則

2.重心安定の法則

3.重心移動の法則

4.呼吸との関連

5.動作と姿勢と感情

6.飲食との相関




まず、1の連動の法則についてですが、


橋本先生は、

全運動系は中枢神経を介して連動装置になっているといいます。

つまり、身体の一部分をある目的に向かって動かすと全系が協力的に動く、

ということです。



このことは、

臨床家の方は実感していることと思いますし、

三浦先生の著書の「操体法入門」などでも詳細に解説されています。



そして、

手足や指趾を固定し抵抗をかけると、

近隣関節から順次協調して動いていくということもいえます。


さらに橋本先生は、

一カ所に歪みができると、これをカバーするために、

系統的に歪みが波及するとも述べています。


逆に操法にあたって、末端局部からの操作により、

遠隔の部分にも好結果がでるということは、

「痛い部分には触れない」 「遠隔治療」

というキーワードで、代表中村も常日頃述べているところです。




次に、

2の重心安定の法則ですが、


橋本先生は、

腰をまっすぐに伸ばし、ここをカナメとして運動すること、と述べています。

そのために、

手は小指に、足は母趾に力点を置くつもりで動作せよといいます。

そうすれば、可動域も大きくなり、

能率も良く、疲れも少なく、フォームも綺麗になります。

スポーツその他どのような動きにも共通の法則です。




そして3の重心移動の法則ですが、


橋本先生は、


屈曲運動時は反対側に、

伸展時並びに回旋時は同側に重心を移動させなければならないと述べています。


屈曲は体幹の前屈と後屈のことで、

前屈時は骨盤は後ろへ、後屈時は骨盤は前へ、ということですね。


伸展は、上に手を伸ばすような動き、

例えば、右手を上に伸ばしたときは右側に重心をかける、ということですね。



回旋は体幹の回旋です。

回旋した方向に重心をかける、ということです。




体幹の側屈の時は、間違えやすいですが、


右側屈の時は左足に重心がかけ、

左側屈の時は右足に重心をかけます。

 
当実践会のセミナーを受講された方は、体験したことがあると思います。




さて、長くなりますので、残りの3つはまたの機会にお話ししたいと思います。



今日もブログを読んでいただきありがとうございました!




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セラピストスキルアップ実践会

2018年4月18日水曜日

ギプスしている方へのKポジション

本日も当ブログにお越しいただきましてありがとうございます。

先日、肩のこりを訴える患者さんを施術する機会がありました。

凝っている方の肩甲骨周りは固くなっています。

こういうときには、当実践会でお伝えしているKポジションを行うのが、
手っ取り早い訳ですが、

この患者さんはあいにく、前腕部骨折で前腕部はギプス固定されています。

さすがに、通常の、末梢から圧をかけるやり方では、

骨折部に悪い影響を与えかねません。

肘から圧をかけてみようかとも一瞬考えましたが、

無理せずとも、

kポジションの後方へ引く方だけを行うことにしました。
ただし、セミナーでお伝えしている患者さんの前方へ立つやり方ではなく、
患者さんの後方へ回って、肩甲骨内側縁を保持する(抵抗をかける)方法です。

三回施行し、結果、これだけでも、十分に肩甲骨周りは緩みました。

当実践会のセミナーでは、
最もわかりやすい方法、効果を実感しやすい力加減で、
Kポジションをお伝えしていますが、
実際はいろいろな応用や別法があったりします。

前でも後ろでも動きがあると痛みを感じる方もいて、
そういう場合には例えば、釣り合いを保つように抵抗をかける方法もあります。

これらの応用や別法は、1回のセミナーではお伝えしきれないので、
上級コースにお進みいただくか、
繰り返し受講されることをおすすめいたします。

一回だけ受講して、臨床でなかなか使えない、ではもったいないと思います。

今日もブログをご覧いただきありがとうございます。


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セラピストスキルアップ実践会  


2018年4月13日金曜日

快適感覚と要求感覚

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操体法の原理原則は、
「気持ちいい方へ身体を動かすと身体は自然に整っていく」
というものです。

気持ちいい、というのは、人間の身体の中にもともと備わっている
原始感覚です。

操体法ではこの「気持ちいい」という原始感覚をとても大切にします。
操体法、特に基本操法を行うとき、
「気持ちいい感じがありますか?」
などと患者さんには必ず尋ねます。
多くの方は最初はこの「きもちいい」がわかりにくいので、
「腰・背中が伸びる感じがありますか?」
とか
「背中が反ってくる感じがありますか?」
などと声かけの仕方を工夫しています。

さて、操法を施行する際、
どちらの方に動いてもらうか決めるときに、
「どちらが楽ですか?」とか
「どちらが動きやすいですか?」
などと尋ねるようにしていると思います。

たいていは、楽な方を選択すれば間違いはありません。

では、右の方が楽だけど、左の方が気持ちがいい、
といった場合はどうしますか?

そうした場合は、さらに、
「どちらの方をやってみたいですか?」
あるいは
「どちらの方を味わってみたいですか?」
と尋ねます。

これは「要求感覚」の確認になります。

ちょっとまとめますと、
「どちらが楽ですか?」
というのは、動きの分析の話し。

「どちらが気持ちいいですか?」
というのは、快適感覚の話し。

 「どちらをやってみたいですか?」
というのは、要求感覚の話し。

ということになります。

はじめから、
「どちらをやってみたいですか?」
と尋ねても、目が点になる患者さんが多いと思いますので、
そこら辺は、場合に応じて、
患者さんの感覚レベルに応じて、ということになろうかと思います。

最初の選択としては 、
「どちらが楽ですか?」や 「どちらがやりやすいですか?」
でよいと思います。

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2018年4月11日水曜日

自分でも考えよう

本日も当ブログにお越しいただきありがとうございます!


以前に何かで読んだお話なんですが、

口べたで人付き合いが苦手だというある人が、

周りから絶対に向いてないからやめておけ、といわれながらも、

営業マンとして就職したそうです。

案の定、入社直後は全くダメで、

1日100件の飛び込み営業をしても、ドアすら開けてもらえなかったそうです。

そして三日後に辞めることを思ったそうですが、
辞める前に自分の思うようにやってみようと考え、
会社のマニュアルとは正反対のことを始めたそうです。

そうして、初めてのお客さんがつき、
その後、自分なりの営業を編み出して、
トップセールスマンになったとのことです。

そして、口べたで人付き合いが苦手だったからこそ、
「売り込まない」「説得しない」「自慢しない」
という独自の営業術ができあがっていった、と話しています。

何かを学ぶ時は、
しっかり学んだ後でも、
学んだことをしっかりと実行に移すことと同時に、
自分の頭で考え、工夫することも大事なんだと思います。


100%学んだことがそのまま当てはまることもおそらくないわけで、
少しはバリエーションがあるのだろうと思います。

うまくいかなかったときに、
自分の頭で考えて、
オリジナルの工夫をしていくということは、
とても大事なんだろうなとあらためて思います。

操体法でも、はじめは基本を忠実にコピーすると思いますが、
その後は、患者さんに合わせて応用していくことも必要になってきますよね。

そのためには自分でもいろいろと
勉強しなくてはならないのは言うまでもありませんね。

今日はそんなお話しでした……。


今日もブログをいただきありがとうございました。








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2018年4月4日水曜日

上肢帯の重だるさ

本日も当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。



先日、右の首~肩~腕にかけて重くなってきた、という方が来院されました。



原因が不明で、本人も辛そうな様子でした。



どうしようかとも少し思いましたが、



歪みのチェックという意味合いもあり、



Iポジションを施行してみました。



基本の蹴りパターンでは、



前屈みの瞬間に、



「肩の方まで効いてる!」



と叫んでいました。



つながりは良い人のようです。



でも、改善度合いとしては、10→8くらいでした。




この方の場合は、上肢からのIポジションが良かったようです。



8→4



まで改善しました。



あと、かかと突き出しも、本人曰く「効いた」ようで、




あご挙上も気持ち良かったようです。




最終的にとても満足して帰られました。




今回のような症状でもIポジションを用いてアプローチ出来るんですね。



アプローチの仕方はいろいろとあるとは思いますが、



Iポジションをご存知の方は、是非Iポジションを磨いてみてください。



きっと強力な武器になると思います。



今日もブログをごらんいただきありがとうございました。



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