2017年10月25日水曜日

患者中心?

本日も当ブログにお越しいただきありがとうございます!



皆さんは、「患者中心の医療」とか言う言葉を聞いたことがあるかと思います。



心理療法の世界では、「クライエント中心療法」という分野もあります。



「クライエント中心の作業療法」というものもあります。



患者中心=クライエント中心


と思われる方もいるかもしれませんが、実際は異なります。



現代医療の「患者中心」は患者中心ではなく、


「診断名中心」


のようです。


つまり、その患者さん(例えばギックリ腰でやってきた田中さんとします)


の考え方や、人生、生活歴等々をふまえたうえでの田中さん、ではなく、


「ギックリ腰の患者さん」としてとらえてしまうということです。



そうなると、どんな方でも、「ギックリ腰の患者さん」などど診断名でとらえられてしまいます。




さて、何が言いたいかと言いますと、



来院された患者さんを、例えば、


「腰痛の患者さん」とか「肩こりの患者さん」などととらえ、


腰痛の患者にはこの操法、


肩こりの患者さんにはこの操法、


と診断名や症状別に操法を当てはめてしまうのは勿体ないということです。


常日頃から操体法は症状別の手技ではない、とお話ししてはおりますが、


狭義の意味では、


患者さんはそれぞれ違う身体を持っているので、、


それぞれの患者さんにあった操法が必要だということ。


もっと広義に考えると、



操体法には、


息・食・動・想・環


という5つの概念があるので、


その全てを観ていく必要がある、ということになります。


上記5つは患者さんそれぞれ異なるはずです。


なので、 それぞれの患者さんにあった操体法を計らっていく必要があるのです。



冒頭の「クライエント中心」の本来の概念は各自勉強していただくとして、



少なくとも、


患者さんを診断名や症状別にとらえるのではなく、


「ユニークな人生を歩んでこられた一人の○○さん」


としてとらえられたらよいのではないかと思います。




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2017年10月18日水曜日

五十肩の患者さん

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今日は、右肩が痛くて上がらない、という患者さんが来院されました。


病院も受診したそうですが、


レントゲン撮影の結果、


肩関節の間隔(?)が通常よりも狭くなっていると言われ、


五十肩の診断だったそうです。




両肩を挙上してもらうと、明らかに右の方が上がっていません。


屈曲左肩180度に対して、


右肩は140~150度くらいでしょうか。


外転も同様でした。




試しにIポジションから試してみます。



左側のIポジションで、前かがみがやりずらそうです。


その際、右肩周囲が張るとのことです。



右側のIポジションの基本の蹴りパターンを行います。


結果、いくらか張りは軽減したものの、


見た目は前かがみはさほど改善していません。


次に右上肢からつなげるIポジションを施行。



前かがみが明らかに改善しました。


右肩の屈曲・外転も、半分程度は改善しました。




本人の感覚としては、


右のわき腹が張る感じだと言います。



さて、次には、



基本操法のかえる足を行ってみました。


左側が楽で、蹴る方が楽とのことで、


左足を蹴ってもらいます。


ほんの数秒です。



右下肢の引き上げは楽になっています。



起きてもらって、



右肩の屈曲と外転を確認します。



左肩と同じくらい屈曲・外転が可能になっていました。




まとめますと……




五十肩……と診断された症状が、


上肢からのIポジションと、


かえる足操法でほぼ改善された、


ということになります。



この方の場合は、


骨操法や圧痛操法でも改善するような気がしますが…、



今回はIポジションとかえる足操法を選択したということです。


どの操法が効果的なのかは患者さんによって異なりそうです。


患者さんの身体はそれぞれ違うからです。





今度、五十肩の患者さんが来たら、


最初にかえる足操法を試してみたいと思います。


今日は、症例を交えたお話しでした。



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2017年10月11日水曜日

やはり……は大事。

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さて、最近、私は腰を痛めてしまったので、


自分自身で操体法ができないか、


いろいろと試して見ました。


片方の足で、もう片方の足の甲を押さえるつま先上げや、


タンスの引き出しを少し出して、


その下に足を入れて行うつま先上げなど、教わったことがあります。


その他、今回試してみたのは、


柱や壁の角を使ったかえる足(押すのも引くのもできます)や、かかと突き出し、


治療用ベッドのH型脚部(?)を使った足内外旋(仰向け)、



小さな台を用いたIポジション、など、



いくつかの操法を試してみました。



案外できるものはあるなぁ、と思い、


ある程度は身体のつながりを感じることはできました、


それと同時に感じたことがあります。



それは、壁や治療用ベッドの脚、台などの無機質さです。



人間の手には到底及ばない、ということです。


当たり前ではありますが、


いくらタオルを厚めにかぶせたとしても、


足の甲や足底、足部にかかる圧は硬くて、方向も違います。


そのため、


私の場合は、ほとんど気持ち良さを感じることはできませんでした。



施術者の手の柔らかさや圧の方向などの大事さをあらためて感じました。


やはり手は大事です。


柔らかい手にしておくことは最低限として、


圧の方向や、力加減、そして相手についていくという気持ち。


それによって施術の善し悪しが決まってきます。


 当実践会の上級コースやスクールなどで学ばれている方は、


最初は堅い手をしていても、


そのうち柔らかい優しい手になっていきます。


まだ、上級コースに進まれていない方も、


せひ自分の手を再確認してみてください。



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2017年10月4日水曜日

症状別操体法からの…

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たびたび話題にはなるお話しですが、


操体法は症状別のテクニックではない、とされ、


この操法はどんな症状に有効ですか?と尋ねても、


何にでも…、と答えられてしまう…。


臨床でどのようにして操体法を使用していいか、


迷われている方もいるかもしれません。



それぞれの症状に対して、


どの操法を用いて良いかわからないという方は、


「操体法の実際」


という書籍を参考にするのも一つの方法かもしれません。


この本は、それこそ、いろいろな症状に対して、


どの操法をどの順番で行ったら良いのか、


が一覧表になっています。


私も、この一覧表にならって、


その通りに施術をしてみたこともあります。



 そういうものを参考にするのも良いかと思います。



今の自分の結論としては、


やはり、身体の各部(筋・筋膜など)のつながりを意識することなんだろうと思います。


ターゲットにしたい部位に直接触れるのではなく、


離れた部位から、アナトミーライン等のつながりを意識して、


目的の箇所にアプローチしていく。




しかし、そのつながりがスムーズな人と、そうでない人がいます。


操体法の各操法の効果にばらつきがあるのは、


そのつながりの善し悪しが一つの原因です。



症状別に操体法を施行したとしても、


結局、身体の各部がつながっていかなければ、


効果が不十分になります。


だから、そのつながりの洞察は必要になってきます。


例えば、Iポジションにしても、


基本パターン(蹴りからの)で効果が不十分な人、


いわゆる、足からのつながりが悪い人に対しては、


上肢からのIポジションを施行した方がつながりやすかったりするわけです。


(それでもつながりが悪かったら別の操法を考えることになりますが…)



基本操法でも、


例えば、肩の上げ下げが下肢の挙上をスムーズにするのだとしても、


かかと突き出しで頸の回旋がスムーズになるのだとしても、


それは、肩と下肢、足と頸が、つながりができているかこそ効果的なわけです。


そして、このつながりをスムーズにしていくために、



声かけが大事であったり、視線が大事であったり、環境が大事であったりするわけです。


もちろん「気持ち良さ」もです。


さらに最終的には施術者の「自信」が大事だったりするわけですね。



なので、操体法は症状別のテクニックではありませんが、


一時は前出の書籍などを参考にするのもよいでしょう。


そして、並行して、身体の各部のつながりを意識しつつ、


オリジナルの操法の組み立てができるように修練していけばよいと思います。




今日はそんなお話しで終わりたいと思います。



今日もブログを読んでいただきありがとうございました!



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