実習生が来て、最初にやるのがいわゆる「評価」。
いつの頃からか、学生に、課題として、
「評価」とは何か?
という質問をすることにしていました。
学生はそれなりにもっともなことを書き、それは間違っていません。
だいたい、その患者さんのことをよく知るため、といった内容だったと思います。
いろいろ言い方はあると思いますが、
私が気に入っている、「評価」の定義は、
「評価」とは「自分の臨床疑問を解決するための手段である」
というものです。
作業療法技術ガイドという本の評価の項目に書いてあった定義です。
なるほどな、と感銘をうけたものです。
この臨床疑問というやつが、セラピストそれぞれ異なるので、それぞれ評価もことなるわけですね。
臨床疑問をどう持つか、はそのセラピストの治療的バックグラウンドに依存すると思われます。
例えば、ボバースアプローチをメインの治療としている人は、
片麻痺のステージはみないでしょうし、
筋肉へのアプローチをメインにしている人は、関節の包内運動なんかはみないでしょう。
どのセラピストも、患者さんを見た瞬間に、自分の感じた臨床疑問を解決するために、
いろいろと評価していくと思います。
学生だと、そのような治療的手技などは教わらないので、
以前ブログでもお話ししたボトムアップアプローチもやむなし、ということになってきます。
しかし、そうでしょうか?
私は、やはり作業療法士が持ってしかるべき臨床疑問というのもあるのでないかと思うのです。
例えば、患者さんをみたとき、
この人の筋力はどのくらいあるんだろう?とか関節の拘縮はあるんだろうか?
といった臨床疑問を持つよりも、
この人は今どんな思いでいるんだろう? とか、
この人は今自分の能力がどれくらいであると感じているのだろう? とか、
この人は今後何をしたいと思っているんだろう?
などの疑問をより多く持つようにした方がよいのではないでしょうか?
別に、このような臨床疑問を持つべき、と強制するわけではありませんが、
作業療法士の特性や専門性を十分に考慮した教育がなされれば、
自然と理学療法士と異なる視点で臨床疑問をもつことができるようになるのではないでしょうか。
と、今日はそんな話になってしまいました。
今日もブログを見ていただきありがとうございました!
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